2008年11月27日

レイオフ後の社内の雰囲気

先日、ここに書いたようにアメリカのパートナー企業が従業員の40%のレイオフを実施し、システム開発部隊も11名から4名に減った。

そんな感じで、それぞれの部署がスマートになり、レイオフ前とレイオフ後では、さまざまな変化があった。

【良い点】
■会議体
まず、全員社員参加の会議が増えた。
もちろん、各部署単位で詰める会議も依然としてあるが。

これは、すごく良い。

風通しが良く、意見の反映や決断のスピードが上がる。


■開発機能の絞込み
人数が少なくなったため、もちろん、今までと同じペースで新規機能を追加できなくなった。そのため、一つの機能を開発するにあたって、「なぜこれが必要なのか?」「この機能の売上、またはコストに対する貢献度合いはいくら見込めるのか?」といった、かなり深い考察が必要となった。

これも、すごく良い。

今まで、開発部隊以外の人間は、開発に対するコスト意識がゼロだったのだが、会社がこのような状況になってしまったおかげで、本来あるべき姿に戻れているように思う。


■全員の意識の集中
レイオフされた人間に対する気まずい思い、もし今自分がレイオフされたらなかなか次の仕事が見つからないであろう不安、そんな感情が残った全社員に共通してもたらされた。

そして、全員が生き残りをかけて同じ目標に向かって進んでいる、そんな感じがする。


【悪い点】
■開発速度の低下
これは人が減ったことに由来する。
でも、上で述べたが、その代わりに機能を絞ることで対応できている。
我々のシステムは、土台は既に完成しており、さらなく拡張を模索している段階であるため、影響は少ないと言えるかもしれない。


他に悪い点は







思い当たらない。。。。


これは非常に深い問題だと思う。

つまり、レイオフした方がメリットの方が大きかったように思えるのだ。

それを踏まえた上での僕の疑問は、これだ。

「会社を大きくしたことは、果たして合理的だったのだろうか?」

今の段階では、答えはNoだろう。

土台がある(キャッシュフローを確実に生むビジネスモデルが既に存在する)会社の場合、人を増やすことで組織のオーバーヘッドが増え、収益は増すが利益率が高くならないことがある。
その好例と言えそうだ。

シリコンバレーのベンチャー企業の場合、その傾向は強いのではないだろうか?

5名〜10名規模の会社から50名以上の会社になる頃には、オーバーへッドの少ない組織を作る能力のある人が必要なのだろう。

少なくとも、うちのパートナー企業の場合は、それがうまくいってなかったようだ。


相変わらず、シリコンバレーでは毎日、レイオフのニュースが飛び交っている。
posted by コッティ at 09:00| サンフランシスコ ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | シリコンバレー永住への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月22日

テレビ番組「キッチン・ナイトメアー」に見る成功法則

アメリカのテレビ番組で、僕が気に入ってる番組はたくさんある。

その中でも、今日は「キッチン・ナイトメアー」について考えたい。

この番組は、超人シェフ・ゴードンがうだつの上がらないレストランを再生していくドキュメンタリータッチの番組だ。日本で言うと、「快適ビフォー・アフター」のレストラン版といったところ。

番組は、いつもゴードンが依頼のあったレストランに客として入り込み、食事をするところから始まる。

ここでの食事への批判がまず最初の見所。冷凍食品を使っているだとか、油っこすぎるとか、etc。
それからゴードンはキッチンに入り、腐った食材、賞味期限の過ぎた食材は古びた冷凍食品などを見つけ出し、シェフに罵詈雑言を浴びせる。

今度は、店内のサービスに目を向ける。スタッフの誰がキーとなっているのか。客の反応はどうなのか。
ゴードンは一瞬にして、この店のボトルネックとなっている問題点を見つけるのだ。

で、オーナーと話し合うのだが、このオーナーが腐ってる場合もまた多い。

つまり、オーナーは悪びれていないのだ。こういう場合、ゴードンはオーナーに店の目的を思い出させる。何のために店をやっているのか?何がきっかけで店を始めたのか?この店に込めた想いは何だったのか?

そこでオーナーの基準を引き上げる

時として、ゴードンはその町を歩き回り、その町で受け入れられるレストランの方向性を模索する場合もある。例えば、その町においしいハンバーガー屋がないことを発見し、店の看板メニューをハンバーガーにすることもある。それも、普通のハンバーガーではない。ゴードンのハンバーガーだ。
そして、このレストランにふさわしいメニューを開発する。

ゴードンは、よく言う。
「レストランは、ただおいしい食事を提供すればいいのではない。これはビジネスなのだ!」と。

ゴードンは、ただのシェフではない。

ビジネス・シェフだ。

彼は、マーケティングを知ってる。
彼は、チームビルディングを知ってる。
彼は、個人のモチベーションの上げ方を知ってる。
彼は、レストランのインテリアにも詳しい。
それでいて、彼は、一流のシェフだ。


翌日、店外にスタッフを待たせて、店のコンセプトを説明し、外装と内装がゴードンのコンセプトに沿って改装されたレストランに案内する。

この段階で、スタッフは全員涙を流す。新しい気持ちで、このレストランで働こうとする意欲が増すのだ。

そして、新メニューの発表だ。

全ての新しいメニューがテーブルの上のところ狭しと並べられる。

シェフがこのゴードンによる新しい料理を食べ、この段階で必ずゴードンに完全に屈服する。なぜなら、プロとしてゴードンの基準が自分の基準と全くレベルが異なることを、自分のプロの舌で自覚するからだ。

そして、ゴードンがキッチンにてレシピをシェフに教え込む。
シェフは、従順にゴードンの教えに従ってレシピを吸収していく。


時として、ゴードンはもう一つ、仕掛ける。
それは、町に出かけて、町の人々にこのレストランの看板料理を試食してもらうのだ。
スタッフ全員、新しくデザインされたレストランのロゴが入ったTシャツを着て、町中で試食を配る。
人々は、その味に感動し、レストランの名前を覚える。


その日の夕方、レストランが新装開店する。

一新された店内のデザイン
一新されたメニュー
一新されたレシピ
一新されたスタッフのモチベーション


何一つ不安がないとここで視聴者は思う。


すぐにレストランが満席になり、キッチンは戦場と化す。

最初は、働く喜びにあふれていたスタッフも、余裕がなくなり、元の自分たちの姿へ戻っていってしまうのだ。

シェフは、今までにないオーダーの数に圧倒され、おまけに新しいレシピに慣れずにスピードが出ない。
店内では、2時間も待たされた客が我慢できずに宅配ピザを頼む。
フロアスタッフは、客からの苦情に耐え切れず、キッチンでシェフを急かす。
オーナーはいきり立ってキッチンに駆け込み、シェフを罵倒する。

そこでゴードンの登場だ。

シェフを落ち着かせ、自信を取り戻させる。
オーナーを別室に連れ込み、説得し、時には罵倒し、初心を思い出させる。

そんな人間ドラマをゴードンが巧みに操り、レストランをうまく切り盛りし、なんとか全てのメニューを出し切り、大盛況の閉店となる。

そして、感動のフィナーレとなるのだ。




毎週、このゴードンのレストラン再生物語を見ていて、気づくことがある。


・ゴードンは人材を入れ替えない
時として、オーナーと相談してスタッフをレイオフすることはあるが、新しいスタッフを雇い入れない。つまり、現状のリソースを再活用するのだ。
どうやって?
ゴードンがやることは、モチベーションを与え、フォーカスを変えるのだ。

・必ずその店を成功させる
つまり、ゴードンの成功レシピは、必ず有効なのだ。
場所や人、レストランの方向性や料理の種類を問わず、必ず成功させるのだ。
要するに、成功レシピはこの世の中に存在するのだ。

・最高のレシピがあっても、持続できない人たちがほとんど
最高のレシピがあっても、結局、人が変わらないとそれを持続させることはできないのだ。
当たり前のことなんだけど、この番組はいつも、その当たり前のことを気づかせてくれる。

じゃあ、人はどのように変わらなければいけないのか?

「ゴードンのレベルに自分の基準を常に維持すること」だと思う。

有体の言葉で言えば、「継続」だ。


いろんなセミナーに行って、ハイレベルの基準を知って満足して帰ってくるが、ほとんどの人が成果が出ないのは、結局、ここなんだと思う。

毎日の生活の中で、そのハイレベルな基準を維持していくことだけが、自分を変えるのだと思う。


一瞬だけ変わることは簡単だし、誰にでもできる。

それを、明日もあさっても、一週間後も一年後もずっと維持できる人は少ない。

それが、この世の中に成功者が少ない理由だ。

誰もが成功レシピを知っている。

でも、ほとんどの人はそれを実行し続けていないだけだ。

知ることと、やることは全く別、ということ。


こんな単純だけど、パワフルなことをいつも思い出させてくれるゴードンは、本当に素晴らしい。
posted by コッティ at 04:12| サンフランシスコ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 成功哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月04日

リストラ

ハロウィン明けの日曜日、米国のパートナー企業の友人からSMSが届く。
「うちの会社が40%のレイオフを実施することになった!」

最近、競合他社がこぞってレイオフの発表をしていたところで、我々にも十分なほど、危機感があった中での発表。
結局、11人いたシステム開発を担当する部署が4名まで削減されることが判明した。レイオフされる7名の中には、高給だけど優秀な技術者も含まれている。

月曜日、重い気持ちで会社に向かう。

レイオフされた社員は、次々を荷物をまとめて会社を出て行く。残る方も出て行く方も、間違いなく居心地が悪い。。。

レイオフは、個人の能力に基づくものではない、という共通認識がアメリカに根付いているように思う。

今回のレイオフを見てもそうだ。

レイオフの原因は、会社都合でしかない。だから、レイオフされた個人も気にすることはないし、次の雇用先もそのような認識であるはず。
でも、時期が悪い。次の就職先を探すのは、今の時代、非常に難しいだろう。いくら能力があったとしても。。。

とは言え、旅立つ友に掛ける言葉は、「Good Luck」くらい。
誰のせいでもないのは、みんな、分かっている。
でも、どうしても、センチメンタリズムに支配されてしまう。


月曜日の午後、残った社員だけで緊急会議。

今まで11名で行っていた作業を4名でこなすことは、同じ手法では達成できないことは明白だ。また、異なる手法で高い成果を上げることができるのであれば、我々はとっくにその手法を採用しているはずだ。

再度、新規開発を予定している機能別に優先順位をつける。今度の基準は、明確だ。
「来年の2月(あと4ヶ月)までに売り上げを増加させる機能」だ。
なぜなら、来年の2月までにキャッシュフローを黒字化することが、残されたメンバーの至上命題だから。
また、去ったメンバーも、去ることでキャッシュフローの黒字化へ貢献していることは誰もが把握している。

もし、黒字化しなかったら?という質問は、誰もしない。

どうなるかは、誰の目にも、見えきっていることだから。

残ったメンバーは、同じプロジェクトを少ないメンバーで続けなければならない。目的が明確で、メンバーも少ないため、一瞬、覇気が上がったように会議では感じた。
でも、それはきっと、錯覚だ。

僕らは運良く生き残っただけ。

この先、4ヶ月のことだけを考える。

ひょっとして、4ヶ月、延命できただけのことかもしれない。

そんな考えが駆け巡る。

でも、その4ヶ月、Die for nothingとして生きるのか、Die for somethingとして生きるのか、その選択は自分自身で出来る。

しかし、去ったメンバーはその選択権が与えられなかった。


月曜日の夜、僕が所属している日本の会社と電話会議。
そこで、こちらの現状を報告すると、僕にも日本に帰国指令が出るかもしれないとのこと。

絶句。。。


僕は、せめてこの4ヶ月、Live for somethingとして生きたい。

somethingは、僕にとっては、アメリカでのグリーンカードだ。
posted by コッティ at 15:52| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | シリコンバレー永住への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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